まずは、ご連絡ください! 秘密は守ります
事情をていねいにお聴きし、寄り添います。

まいさぽ信州長野 主任相談支援員 市原綾子さん

まいさぽに相談したら、誰がどんなふうに対応してくれるの? と不安になる方も多いでしょう。そこで「まいさぽ信州長野」の主任相談支援員の市原綾子さんに、相談の流れや現状、対応で心がけていることについて、聞きました。

身近な窓口からまいさぽにつながる仕組み

―まずどこに相談すればいいのですか。

市原 お住まいの地域を担当する「まいさぽ」にご連絡ください。私がおります「まいさぽ信州長野」は坂城町・小布施町・高山村・飯綱町・信濃町・小川村にお住まいの方が対象です。直接連絡をいただくこともできますが、お住まいの町村役場や社会福祉協議会の担当者からつないでいただくことが多いです。原則として、どんな困り事でも断りませんのでご安心ください。

―機関を訪ねるのが難しい方もいらっしゃるのではないですか。

市原 相談があった場合は、こちらからご自宅や近くの町村役場などお話しできる場所へ出向きます。時には民生児童委員や地域の福祉関係者から心配な方がいらっしゃると相談が入る場合もあるので、必ずご本人に同意を得て面談の調整をします。町村の社会福祉協議会に「まいさぽ出張相談所」もあります。その担当者も一緒に、ご本人を取り巻く地域の状況についてお話をお聴きすることもあります。

―面談はどんな感じですか。

市原 とにかくまず傾聴させていただきます。例えば、お金に困っていて、家賃が払えないなど、ご事情やその背景をお聴きします。また仕事とかご病気のことなど、自然な流れで無理なくお話いただけるよう心がけています。秘密は守りますし、ご本人を責めるようなことはありません。

「まいさぽ信州長野」の相談支援員の市原綾子さんに、相談の流れや現状、対応で心がけていることについて、お話を聞きました。

課題を見える化して計画を立て伴走する

―困りごとをどう解決に導いていくのですか。

市原 一番大きな課題は何か、原因はどこからくるのかなど整理します。人によっては「八方塞がり」と考えていて、どこから手をつけていいかわからない場合もあります。いくつかの課題が絡み合っていることも多いので、一緒にひも解いていきます。

課題を洗い出して見える化し、まずこれを、次はこれを、と困っていることをどの順で改善していくのか、計画を立てていきます。

―計画通りにはいかない場合はないのですか。

市原 ご家族の状況やお気持ちにも配慮しつつ、ご本人が解決に向けてどこまでエネルギーを注げるかを探っていきます。押し付けるのではなく、一つ一つご本人のお気持ちとのズレがないか確認しながら進めます。

また生活保護を担当している福祉事務所との協力体制もしっかりしています。生活保護など制度を利用しなければ生活を立て直せない方の場合、ケースワーカーも面接に入り協力して進めていきます。

―深刻な相談が多いのですか。

市原 お話をしっかり聴いて、それほど深刻でないケースでは情報提供だけにとどまる場合もあります。一方で、長期的な視点で支援が必要な場合は、数年にわたって伴走支援することもあります。ケースバイケースです。解決のための各種手続きや申請に時間がかかることもあります。

例えば、家計に課題がある場合などご本人だけでは解決困難な場合は、支払い窓口に付き添うこともありますし、弁護士などの専門家に相談して解決するケースもあります。

「自立」とは困ったときに「助けて」って言えること。

―相談に来られる方は、心が疲れていることも多いのでは。

市原 そうですね。できるだけ先入観を持たないように対応します。常に自分たちが示すことは相談者の方の気持ちに寄り添えているか常に問い直します。また状況は変化するため、新たな事実や課題に対して向き合い、組み立て直すようにしています。

とはいえ、決して美しいストーリー、ハッピーエンドばかりではありません。現実を受け止め、なんとか見通しを立てて少しでも安心して暮らせるようにと支援しています。

―市原さんご自身、心がけていることはなんですか

市原 「共に」がモットーです。ご本人の気持ちに寄り添いながら課題を整理し、信頼関係を築くことから始めています。どうしていいかわからないという不安を取り除いて、安心して考えられる状況を作ることです。

また、地域とどうつながってみんなからの協力が得られるかを大事に考えます。私たちがご本人の気持ちを傾聴し代弁して、各機関や関係者に協力を求めます。いかに、チームを組んで支援環境を作れるかということにかかっていると思っています。

―最後に、今悩んでいる方、相談しようか迷っている方にメッセージをお願いします。

「まいさぽ信州長野」の相談支援員の市原綾子さんに、相談の流れや現状、対応で心がけていることについて、お話を聞きました。
市原綾子さん まいさぽ信州長野 主任相談支援員 
産業カウンセラー、ファイナンシャルプランニング技能士2級。相談就労支援員、家計改善支援員を経験し現在に至る。

市原 「自立」とは困ったときに「助けて」って言えることです。いい意味で「依存先」をたくさん作ることだと思います。それを私たちがお手伝いできればと日々活動しています。

それにはまず、少しでも困ったら身近な人に相談することだと思います。相談はお金をかけずにできることですから。そして遠慮せず「まいさぽ」にご連絡ください。お待ちしています。